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国際教養大学の高等教育手法が
グッドデザイン?ベスト100を受賞

本学の高等教育手法が「2023年度グッドデザイン?ベスト100」を受賞しました。

2024年4月に開学20周年を迎える本学は、開学当時から「国際教養教育」を教学理念に掲げ、グローバル社会におけるリーダーの育成を使命とし、専門領域、地域、文化など様々な境界を越え活躍する人材の輩出を目指した先駆的な取り組みと発信を続けてきました。このたび、「すべて英語の少人数授業」「世界200以上の提携大学への1年間の留学義務」「多文化共生キャンパス」などの要素が有機的に統合された本学独自の高等教育手法を2023年度グッドデザイン賞に出品し、グッドデザイン?ベスト100を受賞しました。

今回の応募を機に、開学20年で構築してきた本学の学びの仕組みと環境は、どの要素が欠けても成り立つことはなく、本学で育む知性と人間性が学生の一生の土台となるようにするためには、濃密で網羅的、そして体系的で段階的なカリキュラムが必要であることを改めて認識することができました。今後も日本の高等教育におけるグローバル化と教養教育のロールモデルとして、先駆的な取り組みと発信を続けていきます。

「これまでにない大学」を、秋田につくる

高等教育を取り巻く背景は時代とともに大きく変化し、大学に求められる役割も変わっています。さらに、実践的?全人的教育の実施や国際化など大学変革が要求されるなか、高等教育や日本の大学の将来を見据えた長期的なビジョンが求められてきました。それらの背景に応え「これまでにない大学」の創設に向け国際教養大学は独自のカリキュラムと学修環境を築き、2004年、公立大学法人第一号として開学しました。グローバル社会におけるリーダー育成を使命とし、 国際教養教育(International Liberal Arts)を開学理念に掲げ、従来の日本の大学では類を見ない新しい教育の仕組みと学修環境を構築してきました。専門領域、地域、文化など様々な境界を越え活躍する人材の輩出を目指し、国際教養大学は高等教育の真の国際化と革新を続けています。

大学名に込められた教学の理念

中嶋 嶺雄 初代学長が遺した大学の名称案の走り書き。「わが国の高等教育から失われた豊かな教養教育の確立と実践的な外国語コミュニケーション能力の養成を目指す大学を」ー

その思いは開学理念「国際教養教育」に込められています。国際共通語としての卓越した英語運用能力、豊かな教養、グローバルな視座と知識を持ち合わせ実践力ある人材を養成し、地域社会?国際社会に貢献するグローバルリーダーの輩出を目指します。

グローバルリーダーに必要な、知性と人間性を育む

国際社会で活躍できる「グローバルリーダーの輩出」のため、国際教養大学では知性と人間性の両方を備えた人材育成を図っています。知性と人間性の双方を一体不可分のものと捉えた全人教育は、国際教養大学の学びの根幹であり、それを実現する手段として「すべて英語の少人数授業」、「1年間の留学義務」、「多文化共生キャンパス」、「学生の約9割が学内に居住する学修?居住一体型キャンパス」、?実社会における知識の応用」など、独自の教育の仕組みと学習環境を築いてきました。
国際教養大学は、教育の仕組みと学修環境の各要素を独立したものではなく有機的な総体として捉え、各要素を関連付けることにより他に類を見ない独自の教育手法を生み出しました。地方都市の公立大学でありながら、日本のリベラルアーツ教育の高度化?国際化のロールモデルとして、今後も日本の高等教育をリードしていきます。

学びを支える8つの要素

本学は開学以来、一貫してすべて英語の少人数教育を徹底し、1クラスあたりの受講者数は16名が平均です。世界を舞台に「自らの言葉」で発信し、行動できる力を身につけ、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的とし、実践的な英語運用能力を身につけます。

本学が課す厳しい学業基準を達成した学生たちは、世界中の200 以上の提携校へ旅立っていきます。集団派遣ではなく「少人数派遣」を徹底し、語学留学ではなく「専門科目を学び単位を修得する」、まさに本気の留学です。全員留学である本学は、提携校からも留学生を受け入れることで授業料は「相互免除」となっています。

全国各地から集まる学生、海外の提携校から来る交換留学生、多様なバックグラウンドをもつ教員が、多文化共生キャンパスを構成しています。あらゆる場面で多様な文化や価値観に触れ、互いを理解し、ともに生きることを体感できるキャンパスはまさに「世界の縮図」と言えます。

全学生の約9割が、学生寮?宿舎での共同生活を通して、グローバルコミュニティで生活する術を学びます。学生寮?宿舎は、単なる生活の場ではなく、授業では決して学ぶことのできない多くのことを得られる場であり、そうした環境だからこそ24時間リベラルアーツ教育を実現することができます。

学生たちの学ぶ意欲に応え、いつでも、時間の制約なく勉強に集中できる環境を提供しています。「本のコロセウム」をコンセプトにデザインされたこの図書館は、24時間365日、学生たちが本と向き合い、勉学に打ち込む「知の闘技場」です。ともに学ぶ仲間の姿に刺激されながら深夜まで勉強に励んでいます。

世界中にある提携校と交換留学の協定を結び、学びの興味?関心、 留学の目的に応じた専門科目が学べる留学先を見つけられるよう、 多様な選択肢を提供しています。十人十色の留学生活の舞台となる世界中の200以上の提携校は、国際教養大学の学生にとって「第二の学び舎」になるのです。

大学での座学と実社会での応用を循環させ、多角的な視点で問題を解決する能力を身につけます。地域の企業連携プロジェクトから国際協働課題解決型プロジェクト(PBL)まで、ローカルとグローバルの間を行き来しながら、地域?国際社会で知識を応用する多様な実践の場を設けています。

国際教養大学のある秋田は「日本の地域性」に触れる機会が豊富です。グローバルに活躍できる人材は、世界的な視野で地域の未来を多面的?多角的に構想しながら、地域を愛し、地域に密着して活動できる人材でもあります。国際教養大学は、ローカルとグローバルが交差する拠点なのです。