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本学学生が日本大学生訪韓団に参加 ~金田絵莉さん~
外務省による「対日理解促進交流プログラム(JENESYS2018)」の一環として、公益財団法人日韓文化交流基金が主催?派遣した、日本大学生訪韓団(交流使節団)に本学学生である金田 絵莉さんが参加しました。
このプログラムは、他大学も含む日本の学生等32名が3月7日から16日の日程で韓国を訪問し、大学訪問、ホームステイ、韓国文化体験などを通して韓国の文化?社会に対する理解を深めるとともに、交流を通じ日本の魅力を発信するものです。
※昨年までの参加学生の記事は、こちらをご覧ください。
参加した金田さんに、帰国後、話を聞きました。
どのようなきっかけで、今回の訪韓団に参加しようと思ったのですか?
大学に入学後、韓国からの留学生と知り合い、韓国ドラマを観るようになってから韓国という国に興味を持つようになりました。今回このプログラムに参加した理由は、日韓関係が政治的に複雑化する中で、現地の大学生が日本に対してどのような印象を抱いているのか、自分自身の目で確かめたいと思ったからです。
参加するにあたって意識したことはありますか?
訪韓直前、日本国内ではいわゆるレーダー照射問題や徴用工問題が大きく報道されている一方、韓国では三?一運動100周年の祝賀ムードがあふれていました。私も周囲から訪韓することに危険はないのかと尋ねられ、返答に窮することもありました。ただ、日本のメディアから発信される情報は、どうしても「日本側の視点」というフィルターが入ってしまうと思います。実情を知るためにも、互いに膝を突き合わせて一歩踏み込んだ議論をしたいと考えていました。
交流活動としては、実際にどのようなことをしたのですか?
釜山大学校や全北大学校などの学生たちと意見交換したほか、大韓民国歴史博物館や世界遺産の河回村、国会議事堂、板門店といった、韓国の歴史?文化?政治を象徴する場所への視察、そして韓国国会議員による講義を聴くなど、盛りだくさんの内容でした。
一口に交流といっても、例えば現地の大学生とは歴史認識について議論したり、一緒にカラオケに遊びにいったり、互いの故郷について発表したり、と多面的な付き合いができました。
同じ交流でも、歴史の議論とカラオケとでは、だいぶ雰囲気が違いそうですね。
訪韓を通じて感じた、「韓国とは、背反する感情がせめぎ合う隣人である」という一言に尽きると思います。
文化面での交流が盛んであることは日本国内での報道のとおりで、例えばカラオケに行った際には、J-POPの最新曲を韓国の学生が歌っていました。知名度の高さや音楽コンテンツの嗜好の重複に驚きました。
対照的に、政治や歴史認識に関しては未だに相違が多く、相互理解への道のりの長さを痛感しました。
AIUで国際教養教育を学ぶ学生として、どのようなことができると思いますか?
やはり私たち若い世代の活動が鍵になることは明白です。日韓関係の向上のため、若者が隣国と自国の政治への関心をより持たなければならないと反省しました。
今回の訪韓では、「大学生世代の私たちは、政治と文化を切り分けて互いの国を認識している」ということがキーワードとして何度も話題になりました。背反する感情を「切り分けて」認識できることは、未来志向な関係を築く上で有益であると思います。一方で、自分自身の生活と政治とのつながりをあまり意識していないことが、事実を曖昧にする状況に加担しているともいえます。
「相互理解」は、優しい言葉ですが、その定義や実際のプロセスは曖昧です。多数の国民が関心をもって事実に基づいた判断を心がけることが重要だと思います。
訪韓団の交流活動を通じて感じたこと、伝えたいことがあれば教えてください。
私が韓国で感じた、「背反する感情がせめぎ合う隣人である」ということは、鏡像のように、韓国から見た日本に当てはまるのではないかと思います。これからも私たち日本人は、政治面、文化面、経済面で必ず隣国である韓国と相互に関与していくことでしょう。良好な関係構築に貢献するため、まずは、日韓の大学生同士が日常の中で交流できる機会を増やすための活動を、積極的に行っていきたいと思います。