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AIUクラブ紹介:秋田県高校留学推進委員会
学生の約9割がキャンパス内の学生寮?宿舎で生活する国際教養大学はクラブ活動も活発です。多くの学生が国籍や学年の垣根を越えて交流を深めています。今回は、「秋田県高校留学推進委員会」をご紹介します。代表の佐藤 さくらさん(2023年入学、秋田県出身)にお話を伺いました。
「秋田県高校留学推進委員会」ってどんなクラブ?
佐藤:私たちは、秋田県の高校生が海外へ長期留学できる機会を提供する活動をしています。この活動には、派遣学生の選考、留学前の事前教育、費用の工面などさまざまな準備が必要です。現在、13名のメンバーが部署ごとに高校生の留学支援に取り組んでいます。主な活動場所はキャンパス内ですが、部署によっては県内の企業、県庁へ赴くこともあります。月に1回の全体ミーティングのほか、5つの部署ごとに打ち合わせやイベントがあります。
私自身、秋田県の高校出身ですが、留学に行った人の経験を聞ける機会が少なく、留学に関する情報をなかなか得られないと感じていました。また、経済的理由で留学に行きたくてもいけない高校生もいます。秋田県の高校生たちにとって長期留学ができる制度の選択肢が多いとは言えないような状況を踏まえて、自分たちで作ろうと思い立った沖縄県出身の仲田 大樹さん(17期生)がこの委員会を立ち上げ、今のメンバーも秋田県の高校生に長期留学に挑戦してもらいたいという想いを引き継いで活動しています。
秋田県の高校生はどうやったら留学できる?
海外留学を身近に感じてもらう
佐藤:まず、海外留学を身近に感じてもらうために、クラブのインスタグラムからの発信や、県内の高校52校に募集ポスターを送付するなど、県内高校への周知に努めています。また、県内の高校を実際に訪問して、留学について説明会を行い、留学を身近に感じてもらいたいと取り組んでいます。
今年、秋田中央高校を訪問した際には、留学に興味のある高校生が集まり、説明会の後半では英語を使ったアクティビティも行いました。
選考過程について
留学プログラムの応募資格があるのは秋田県内の高校に在籍する1年生、2年生の生徒です。留学?ホームステイの機会を提供している公益社団法人 日本国際生活体験協会(EIL)と連携して選考を行います。募集期間内に応募をいただいたら、まず、英語応用力試験を受けてもらいます。その点数などによって出願できる留学先の国は変わりますが、幅広い国から選択できます。
留学先の候補が決まったあとに、一次の選考書類を送ってもらいますが、その書類の中に作文の課題があり、「留学の抱負」を提出してもらいます。二次試験では対面で日本語と英語による面接を1時間行います。留学の動機、展望など、保護者の方も一緒に参加していただきます。その面接結果を鑑みて候補者が決定します。
海外留学前の準備もサポート!
留学費用の工面
佐藤:留学に必要な資金を集めるために担当のメンバーが組織、企業や個人の方々を訪問して奨学金の寄付の案内およびご支援の依頼を行っています。メンバーは社会人の方々と広く交流させていただき、同時に学生として社会人の方々から学ぶことも多いです。
留学前の事前教育もサポート
委員会では生徒が留学に出発するまでの事前教育、サポートにも力を入れています。海外留学に行くと、留学先の人々と交流するなかでふるさとである日本、秋田がどのような場所で、どのような文化があるのか、説明を求められることが多くあります。ただ留学に「行く」だけではなく、「秋田から来たんだ」というアイデンティティも、留学を実りあるものにするために必要な要素だと考えています。秋田といえばコメ、きりたんぽ、いぶりがっこなどが挙げられるかもしれませんが、秋田市内の生徒にとって、田植え経験、漬物づくりなどは身近なことではありません。また、意外と思われるかもしれませんが、秋田は車社会なので、観光で有名な秋田内陸線に乗った経験がない生徒も多いです。そこで、ふるさとを理解するために「秋田魅力ワークショップ」を開催し、秋田ならではのさまざまな文化?生活を実際に体験してもらっています。その体験談や写真などが海外でふるさとを語る際に活用され、1期生からはとても役に立ったと好評でした。
留学後の報告会の様子
佐藤:今年一番のイベントは、7月に開催した1期生の帰国報告会でした。第1期で派遣した高校生3名が約1年間の留学を経て2024年の夏に帰国しました。帰国した高校生の報告会自体も初めての企画で、メンバー総出で取り組みました。また、寄付をしてくださった企業や個人の方々を招待することができました。帰国した生徒たちが、留学中の学び、生活、ホストファミリー、学校生活、食事、文化、言語などについて熱のこもった報告を行いましたが、時間内では収まりきらないほど、たくさんのことを発表してくれました。
また、秋田県庁を訪問し、秋田県教育長や県庁の関係者などが出席された報告会も行い、その様子が新聞やテレビでも取材されて反響をいただきました。来年留学する3期生の募集説明会を行ったところ、10組の方々が参加し、車で2時間の距離の高校から説明会に来てくれた生徒もいました。
今後の抱負
佐藤:わたしはもともと海外に興味があり、高校でアメリカに行くプログラムに参加したかったのですが、コロナ禍で行けなくなった経験があります。でも、高校を卒業した春に、秋田ロータリークラブが実施しているプログラムのおかげで、台湾に10日間の短期ホームステイに行くことができました。自分が長期留学の夢を果たせなかった分、高校生の留学機会提供に貢献したいと思っています。
現在、2025年夏に出発する3期生の面接を実施しています。高校生が感じる長期留学に対するハードルがもっと低くなり、やってみようという気持ちが高まることを願っています。
1期生はフランス、ベルギー、ドイツに行き、2期生は現在カナダとタイに留学中です。留学動機もそれぞれ違い、国の幅も広がっています。なにより、本人たちの楽しんでいる様子が活動の励みになっています。こうして高校生が海外に触れる機会を増やしていきたいです。