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AIUクラブ紹介:会う輪
学生の約9割がキャンパス内の学生寮?宿舎で生活する国際教養大学はクラブ活動も活発です。多くの学生が国籍や学年の垣根を越えて交流を深めています。今回は、「会う輪」を紹介します。代表の髙橋 咲さん(2023年入学、埼玉県出身)にお話を伺いました。
「会う輪」とは?
髙橋さん:「会う輪」は、秋田市雄和?河辺地区の農家と連携し、地域との交流を深める活動を行っています。主な活動内容は農作業のお手伝い、地域イベントへの参加、子供会や古民家のリノベーションの企画などです。現在60名の学生が所属しており、コアメンバーは週1回のミーティングを行い、活動計画などを立てています。
参加する学生たちの動機はさまざまですが、共通しているのは「地域とのつながりを深めたい」「新しいことを体験したい」という思いです。たとえば、畑で収穫した野菜を使って収穫祭を開いたり、農家の方と収穫したもち米で餅つきをしたり、秋田ならではの経験ができます。また留学生も、日本の地域文化への興味から、秋田での地域交流にも熱心に取り組んでくれています。
活動の頻度は農作業の進み具合や授業との兼ね合いでまちまちですが、田植えなど、大掛かりな農作業の手伝いは事前に連絡して、メンバーが力を合わせて参加します。
地域との深いつながり
髙橋さん:地域の方々との交流は、小さなできごとがきっかけで始まりました。数年前、交換留学生と一緒に餅つき体験をしたいと、雄和地区の方に道具をお借りしたことがあったそうです。そこで、町長さんから地域でも交流を続けようとお声がけをいただいたことを契機に、クラブをつくることにつながりました。その時に餅つきを教えてくださった農家のご家族とのご縁は今も続いています。お世話になっている農家の方々は、お金に変えられない価値を大切にする、素晴らしい考えをお持ちです。人生で一番豊かなものは、人との関係だという言葉が心に響いています。
活動では、単なるボランティアにとどまらず、地域の方々との間に深い信頼関係を築けるよう取り組んでいます。学生たちは農業の技術や地域の文化を学び、一方で、地域の方々は、学生たちの新鮮な視点や多様な文化に触れることで、互いに刺激を与え合っています。
最近は農作業以外にも、地域のマルシェへの出店や子供たちと遊ぶ子供会の開催など、活動の幅が広がっています。
クラブ活動の魅力?楽しさ
髙橋さん:一番の魅力は、農家の方々との温かい関係性です。私たちがお邪魔しても、いつも家族のように温かく迎えてくださいます。しかし、そうした関係は一日で築けるものではありません。日々の活動の一つ一つを大切にし、長い時間をかけて少しずつ農家の方との関係を積み上げていくことで、より親密になり、信頼関係が築けるのだと思います。
また、活動を通して、留学生や日本全国から来た学生たちと、たくさん交流することができます。これまでの経験や考え方などを互いに共有することで、それぞれの視野が広がり勉強になります。
クラブ活動の時間は、大学生活の中でリフレッシュできる大切な時間です。温かく迎えてくれる場所があると思うだけで元気になり、目の前の課題に取り組むことができます。
「お茶っこ」タイムで得られるもの
髙橋さん:地域の方々との「お茶っこ」(秋田弁でお茶をしながらちょっと談笑すること)タイムは、地元の方々と触れ合える至福のひと時です。ただ農作業にかかわるだけでは得られないような人と人との温かさ、ぬくもりを感じます。
地域のみなさんの話す秋田弁は分からないときも度々ありますが、その都度、意味を聞いて教えてもらいながら、会話を楽しんでいます。また、聞いているうちに秋田弁に慣れてきているとも感じます。留学生も日本語を使ったり、たまに地域の方が英語を使ったりしながら会話を楽しんでいます。
また、地域のみなさんとの会話から、昔話や歴史、文化についてなど、秋田のことをより深く知ることができます。私自身は埼玉県の秩父という山間部に近い地域の出身で、地元でも地域交流に慣れており、また、祖母の農作業の手伝いもよくしていました。雄和の秋田弁も、どこかふるさとの言葉に似通ったところがあり、面白いなと感じています。
今後の抱負
髙橋さん:活動は、地域と学生の双方にとってかけがえのないものだと思います。留学を挟み数年で卒業し、メンバーが入れ替わっていくというAIU生の事情もご理解いただきながら、地域の方々は卒業したら終わるのではなく長い目で接してくださいます。そのおかげで、卒業生が秋田の農家に時折遊びにくることもあり、そこで卒業生と在学生の新たな交流が生まれたりもします。
大規模でなくてもいいので、地域の方々がAIU生と関わることで、少しでもその方たちに元気を与えられたり、自分たちも地域の方から学び、いい影響を受けたりできる関係性をつなぎたいと思います。