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AIUクラブ紹介:AIUダイバーシティクラブ

学生の約9割がキャンパス内の学生寮?宿舎で生活する国際教養大学はクラブ活動も活発です。多くの学生が国籍や学年の垣根を越えて交流を深めています。今回は、AIUダイバーシティクラブをご紹介します。代表の山本 はるかさん(滋賀県出身)、会計の桑島 永吉さん(宮城県出身)にお話を伺いました。

AIUダイバーシティクラブの皆さん
AIUダイバーシティクラブの皆さん

多様なメンバーと自由な活動

山本さん:ダイバーシティクラブは、ジェンダーやセクシュアリティといったことを学び、理解を深めながら大学での安全なコミュニティ作りに取り組んでいます。現在、留学生1名を含む15名のメンバーが所属しています。通称「畳の部屋」という和室に週に1回集まり、日々の出来事など自由にテーマを持ち寄り談話しています。「畳の部屋」を活動場所に決めたのは、学内で「自分を緩められる」場所を作りたいと思ったからです。

桑島さん:ジェンダーなどのテーマに限らず、日々のことを共有し合えて、心が落ち着けるスペースになっています。ダイバーシティクラブは2014年に発足し、10年を迎えました。発足当時は、ジェンダーやセクシュアリティに関する話題がまだ社会的に注目されていなかった時代だったそうです。クラブでは、そのようなテーマについて気軽に話し合える場を提供するとともに、多様な活動を行ってきました。

クラブの魅力と楽しさ

山本さん:居心地の良い雰囲気で気軽に集まれることだと思います。イベント企画やアクションを起こすフットワークも軽いです。少人数ながら、クラブとして社会に働きかけができる点も魅力です。

桑島さん:活動したい時に仲間がいる心強さ、やりたいことを実現できる環境、さまざまな役割に挑戦できることがクラブの楽しさです。

多様な活動

秋田プライドマーチへの参加

山本さん:特に印象的だった活動は、昨年5月に行われた「秋田プライドマーチ」への参加です。東北各地、そして東京や北海道などからもパレード旗やレインボーフラッグを持った人たちが集まりました。当時は新入生で、まだ大学にも秋田にも慣れない中、社会的な活動に参加することに戸惑いもありましたが、実際に多様な人々が集まり、それぞれの思いを表現する場に参加できたこと、晴れやかな空の下、秋田市内を総勢200人で行進できたことは貴重な経験でした。

桑島さん:第3回を迎えた秋田プライドマーチの共同代表はAIU卒業生でした。先輩にご縁を繋いでいただけました。

キャリアパス相談会

桑島さん:また、6月はキャリアパス相談会を企画し、卒業生を招いてDEI(Diversity, Equity, and Inclusion)の観点から働き方についてお話を伺えたことが印象に残っています。グローバル企業のDEIの取り組みなどを教えていただきました。お話の中で「変えるべきは学校教育ではなく社会」という言葉は心に残っており、自身のキャリアについて考えるきっかけにもなりました。

山本さん:6月は、社会運動を契機に日本やアメリカなど世界各地でLGBTQ+の権利を啓発する活動?イベントが実施される「プライド月間」でもあります。そのため、独自の企画を実施したいという気持ちもありました。

TED×AkitaIntlU

山本さん:7月にAIUで開催された「TED×AkitaIntlU」では講演する方との連絡業務を前代表とともに担当させていただきました。私自身、初めて当事者の方とじっくりとお話をする機会となり、どのように接していいか最初は戸惑いましたが、実際はとても面白くてお話に共感することがたくさんありました。自身の人生を振り返りながら、当時のマインドについてお話される講演者の方々のストーリーに共感するところも多く、勇気をもらいました。

AIU祭

桑島さん:秋学期以降は、AIU祭で「虹色にんげんスタンプラリー」という企画に取り組みました。プライドフラッグに込められた意味をメンバーが紹介するというものです。実は6色のレインボーフラッグにはそれぞれ意味があります。また、教室にSOGIE(Sexual Orientation, Gender Identity, and Gender Expression:性的指向?性自認?性表現)に関する資料などを展示しました。徐々にLGBTQ+の理解も広がってきたと思いますが、今後はSOGIEに関する理解を広げていく段階かなと思っています。来場した人からは「なるほど」「難しいな」などの感想をいただき、ちょっと触れただけではすべてを理解するのは難しいテーマだと実感しました。みんなが居心地のいい場所作りに取り組みたいと思います。

ダイバーシティウィーク

山本さん:12月に本学で1週間開催されたダイバーシティウィークでは「文化」「言語」「移民?難民」「SOGIE」「障がい」の5つのキーワードをテーマにさまざまなイベントが開かれました。ダイバーシティクラブのメンバーの数名が「SOGIE」と「障がい」をテーマにしたワーキング?グループに参加しました。開催後は温かい言葉をたくさんいただきましたが、同時に多様なテーマを扱うことの難しさも感じました。

桑島さん:私は「障がい」をテーマにしたグループに参加し、秋田県特別支援教育?療育の拠点の「あきた総合支援エリアかがやきの丘」で交流した内容を発表しました。普段の生活で障がいを持つ人と接するときはどうしたらいいのか。例えば電車が止まったときにアナウンスの内容がわからない人や耳が聞こえづらい人がいた場合のシミュレーションや、車いすの人が階段で苦労している際のサポートなど、どのように声をかければいいのか、知らないと難しいものです。

ダイバーシティ就活EXPO

桑島さん:2月22日(土)、メンバー3名が、東京都新宿LUMINE0で開催された「JobRainbowダイバーシティ就活EXPO」に参加しました。このイベントは、多様性を重視する企業がブースを出展し、担当者が直接自社のダイバーシティに関する取り組みについて説明するものです。人材が多様化している今の社会に対応していくために、企業側も多様性を重視した取り組みを行っていることが分かり印象的でした。

また、トークセッションでは登壇者の経験を通して、大学でダイバーシティ関連の活動を進める際のポイントについて学ぶことができました。また、スーツ相談ブース、就活メイクアップブースなど、自分らしく就活するためのアドバイスもあり、自分が本当に働きやすい企業とはどのような会社なのかを考える機会にもなりました。

イベントに参加したダイバーシティクラブのメンバー
イベントに参加したダイバーシティクラブのメンバー

今後の展望

山本さん:AIUダイバーシティクラブは、ジェンダーについていろいろな思いを抱いたメンバーが集まり、日々のんびり活動しています。クラブの理念は、すべての人にとってのセーフティスペースであること、SOGIEの概念を広める活動をすることです。現在、LGBTQ+やSOGIEに関する活動を中心に取り組んでいますが、今後は「ダイバーシティ」の名にふさわしく、ジェンダーに限らず、障がい?人種?文化など、より広範な多様性のテーマにも目を向けていきたいと考えています。特に、「交差性(インターセクショナリティ)」を意識し、さまざまな背景を持つ人々が尊重し合う社会を目指して活動を続けていきます。

桑島さん:ダイバーシティクラブは、どんな人でも安心して参加できる場です。興味のある方は、ぜひ気軽にSNSを覗いてみてください。また、4月からスタートした新規テーマ別ハウスの「ジェンダー?セクシュアリティハウス」の活動も深めていきたいです。

※本学では、すべての学生公認団体にスポーツ安全保険の加入を義務付けており、ダイバーシティ就活EXPOへの参加はスポーツ安全協会の助成金を活用して行われました。