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ライラ?カセム 奈良女子大学特任准教授による日本伝統文化Ⅰ特別講義を行いました

「日本伝統文化Ⅰ」では、ライラ?カセム 奈良女子大学特任准教授を招き、インクルーシブデザインを日本伝統文化にどのように取り入れるかをテーマに特別講義を行いました。この特別講義は裏千家インターナショナルアソシエーションとの共催でオープンレクチャーとし、裏千家会員の方々もオンラインで参加しました。

ライラ?カセム准教授

カセム准教授は自身が取り組むプロジェクトの紹介として、一般社団法人シブヤフォントで文字のデザインを通じて社会的な価値を創造することを目指し持続可能なデザインの実践と地域社会への貢献に重点を置いた事例を説明しました。

講義の様子

カセム准教授のプロジェクトは、単に美しいフォントを制作するだけでなく、その制作プロセスや利用方法において、環境への配慮と社会的なインクルージョンを追求している点が特徴です。シブヤフォントでは、障がいのある方々や高齢者など、多様な背景を持つ人々がフォント制作に携わる機会を提供しています。このような共創プロセスを通じて、参加者のスキル向上や社会参加を促進し、フォントそのものに多様な視点や価値を吹き込んでいます。

制作されたフォントは、渋谷区内の店舗や公共施設、イベントなどで活用され、地域のブランディングや情報発信に貢献しています。また、フォントの収益の一部を社会福祉活動に寄付するなど、デザインの力を通じて具体的な社会貢献も実現しています。カセム准教授のプロジェクトは、デザインが単なる視覚表現に留まらず、環境、社会、経済の三位一体で持続可能な未来を築くための強力なツールとなり得ることを示唆しています。

会場の様子

茶道部主催のインクルーシブデザイン茶会と今後の展望

講義後は、茶道部主催でインクルーシブデザインを取り入れたお茶会を開催しました。茶道部が、車いすの方でもお点前ができる立礼(りゅうれい)スタイルの茶道具をデザインし、大学の家具製作も手掛ける地元の萩原製作所に協力していただき作成しました。多様性を考慮した禅の教えをもとに、茶道部メンバーの出身の各国のお菓子とお抹茶をいただきながら、ライラ?カセム先生を囲み、茶道具のインクルーシブデザインの可能性について考えを深めました。

今後の講義では、カセム先生のプロジェクトを参考に、授業内で茶道にインクルーシブデザインをどのように適用していくかを具体的に考えていきます。また、考案されたデザインは学内だけでなく裏千家にも共有し、学内外で茶道のあり方を考察していく機会を設けたいと考えております。

インクルーシブデザイン茶会の様子