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学生活動
【活動報告】AIUデザインLAB基礎編(LAB 1)を開催しました
2025年6月と7月にAIUデザインLAB 「デザイン思考ワークショップ(LAB 1)」を開催し、本学の学生26名、県内企業の方18名の合計44名の方々にご参加いただきました。
今年度は「地域資源を活用して秋田をもっとよくするビジネスをデザインする」をテーマに、学生と社会人がチームを組み、2日間でデザイン思考を体験しながら、新しいビジネスのアイデアづくりにチャレンジしました。
ステップ1. 共感(Empathize)
まずは、デザイン思考の最初のステップである「共感」について理解を深めるワークを行いました。対象となる顧客を具体的に思い描くために、ペルソナシートを用い、ユーザーの家族構成や仕事といった基本情報から、思考?感情?関心ごとに至るまで、幅広く想像を広げ、それらを言語化して付箋にまとめていきました。
また、顧客のニーズを理解するため、ユーザーの「ゲイン (Gain:顧客が得たい利益、満足感、価値)」と「ペイン (Pain:顧客が抱える問題、悩み、不満)」も可視化しました。

ステップ2. 定義(Define)
各チームがステップ1で思い描いたペルソナに対して「我々はどうすれば『理想的な状況』を実現できるだろうか?」と問いを重ねることで、潜在的な問題やニーズを掘り下げ、明確にしていきました。

ペルソナシートに立ち返って対象者の本質的な願いが表現されているか、また視点が狭まりすぎていないかを吟味しながら、問いを繰り返し書き出し、定義を深めていきました。
ステップ3. アイデア創造(Ideate)
問いを定義した後は、解決策のアイデアを生み出すステップに進みました。
この段階では質より量を重視し、まずはブレインストーミングによって、とにかく多くのアイデアを出すことに取り組みます。出されたアイデアはグループ分けしながら整理し、さらに新たな視点からのブレインストーミングを重ねることで、「アイデアの発散と収束」のプロセスを何度も繰り返します。


ステップ4 & 5. プロトタイプ&テスト(Prototype & Test)
1日目の最後には、ステップ3で生まれたアイデアをブラッシュアップし、他チームに向けて初期アイデアの発表を行いました。他のチームからのフィードバックを受け取り、2日目のビジネスモデルの構築に備えます。

ビジネスモデルの検討
2日目はいよいよ、ビジネスモデルの具体化に取り掛かりました。
このフェーズで重要となるのが、「顧客は誰か?」という問いです。エンドユーザー自身が顧客となる場合もあれば、その人の代わりに対価を支払う別の顧客が存在する場合もあります。各チームは、自分たちのビジネスアイデアにおける顧客が誰なのかを明確にし、1日目に生まれたアイデアを具体的なビジネスモデルへと落とし込んでいきました。

最終プレゼンテーション
最終プレゼンテーションではビジネスアイデアを各チームが発表しました。発表されたアイデアの一部をご紹介します。
??「あきた婚活 秋田共同農業プロジェクト?農業で恋を育てませんか??」
農業体験を通した秋田の婚活サービス
??「Decoration your life あなたの人生をデコレーション」
秋田の資源を活用したシニア向けカタログギフトサービス
??「私が見つかる!秋田の高大接続バスツアーwith 秋田大学?国際教養大学」
進路に悩む秋田県内の高校生と県内大学をつなげるバスツアー
?? 「思い出をいつもそばに。」
住み慣れた家を離れなければならないシニア向けの家のアーカイブサービス
??「伝統を守りながら工芸品を広めるためには」
秋田県内の工芸品のレンタルプラットフォームサービス


参加者の皆さんからは次のような感想が寄せられました。
学生の声
何もないところから2日間で新たなビジネスアイデアが生まれることに驚いたし、議論の過程でさまざまなアイデアが生まれることが楽しかった。
理論を学んで実際にビジネスを考える過程を通して、本などからは得られない気づきがあった。意見を交わしつつ、問いの軸から離れないようにする難しさと大切さを感じた。
自分はコストであったり、現実的にどうビジネスとして成り立たせるかの視点がなかったので、企業の方がこうしたら実現可能ではないかとアドバイスをくれたのがとっても良かった。
ペルソナ化を通してターゲットを特定して方向性を決めていく過程が面白かった。加えて、ビジネスとして成り立たせるには、どういう視点が必要なのかも知ることができた。
企業の声
学生の自由な発想に、自分が今まで目先の利益や黒字化にとらわれていたことに気付かされた。
自分の関わる地域の課題(空き家、飲食店の減少、担い手不足)に立ち向かうヒントになった。
商業施設として、お客様の欲求に向き合っていく中で必要な思考のプロセスを改めて認識することができた。
今まで、自分はビジネスをするときに1パターンで動いていたことに気がついたため、今回のワークショップでの学びを今後自社で新しいことを始める時に意識したいと思った。
デザイン思考ワークショップ(LAB 1)はデザイン思考の方法を学ぶだけでなく、学生と県内企業が共通のテーマに取り組み、互いの視点を学び合い、取り入れながら新しい価値を創造する場です。そしてLAB 1で生まれたアイデアは、デザイン思考実践としてLAB 2(事業創造プロジェクト)またはLAB 3(秋田県内企業課題解決型学修)へ進み、専門家からの講義?アドバイスを受けながら社会実装や実践的なスキル獲得のステップへと引き継がれます。
昨年度末には、AIUデザインLAB2で生まれた、県内の酒蔵を海外向けに発信する事業のトライアルが五城目町で行われました。
今後、AIUから新たな事業が生まれるかもしれません!引き続き、AIUデザインLABの活動に注目していただけると嬉しいです。
お問合せ
国際教養大学 応用国際教養教育推進課 地域連携チーム
E-mail: aiu.collaboration@gl.aiu.ac.jp
Tel:018-886-5835