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私の留学レポート:カナダ?ウィンザー大学~南部柊真さん(3)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生とともに履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。

今回は、カナダに留学中の南部柊真さんのレポート最終回をご紹介します。

友人の誕生日パーティの写真
友人の誕生日パーティにて(右から3番目が南部さん)

広がる交流と深まる絆

留学生活の中で特に印象に残っているのは、現地で体験したハロウィンイベントです。カナダでハロウィンは一大イベントであり、学生たちが思い思いの仮装をして集まり、寮やキャンパス内でパーティやイベントが開催されます。私も現地の友人とともに仮装を準備し、イベントに参加しました。最初は仮装に抵抗がありましたが、いざ参加してみると、普段話す機会のなかった人とも自然に会話が生まれ、ぐっと距離が縮まりました。このイベントをきっかけに交友関係が一気に広がり、日々の生活でも積極的に関われるようになりました。

また、留学中はカナダだけでなく、他国の文化イベントにも触れる機会がありました。ドイツの「オクトーバーフェスト」では、ビール文化とその歴史を学びながら、現地の人々と交流を深めました。さらにアイルランドの「セント?パトリックス?デー」では、町中が緑に染まり、音楽やダンスが溢れる中で、多様な文化的価値観に触れる貴重な体験をしました。これらのイベントは、単なる観光にとどまらず、文化の背景や人々の考え方を学ぶきっかけとなりました。

ハロウィンパーティの写真
思い思いの仮装で集まったハロウィンパーティ(上段左から2番目が南部さん)

日本人としての意識

留学を通して最も成長を感じたのは、「自分の意見を伝える力」が身についたことです。これまでの私は、自分の発言に対して臆病になってしまう傾向がありましたが、カナダのような多文化社会では、異なる意見や価値観が尊重されることが前提となる環境のため、自分の考えを持ち、共有することが求められます。初めは自分の拙い英語に不安もありましたが、勇気を出して発言を続けるにつれて、徐々に自信を持てるようになりました。人との交流を大切にしてきた今回の留学では、多様な文化背景を持つ人々と深く関わる中で、相手を尊重しながら自分の考えを伝える力を育むことができました。

また、発言することだけでなく、「日本人としての自分」を意識するようにもなりました。カナダでは多様性が尊重されているからこそ、自分のルーツや文化的背景をしっかり伝えることが、アイデンティティの確立にもつながります。「日本人らしさ」、例えば相手への配慮や控えめな態度は、決してマイナスではなく、時に好意的に受け止められることも多く、私自身の「強み」として活かせることに気づきました。

一方で、課題も残りました。特に感じたのは、語学力の壁と、異文化の中での適応力のさらなる向上です。授業内容を深く理解し、現地の学生と対等に議論するには、まだ語彙力や表現力が不足していると感じる場面もありました。

留学がもたらした財産

今回の留学を通じて、多文化社会での人間関係の築き方、自分の意見を発信する力、そして日本人としてのアイデンティティを意識することの大切さを学びました。今後はこの経験を土台に、異なる価値観を持つ人々と協働しながら、社会に新しい視点やつながりを生み出すような仕事に挑戦したいと考えています。カナダで日本に興味を持ってくれた多くの人々と出会い、日本をもっと知ってほしいという気持ちが強くなりました。将来的には、日本の文化や価値観を海外に発信する取り組みにも関わりたいと考えています。例えば、グローバル教育や留学生支援、日本文化を広めるためのイベント運営など、自分の経験を活かせる場で力を尽くしたいです。

「完璧じゃなくていいから、まず行動すること」も留学を通じて私が学んだ最も大切なことの一つです。英語に自信がなくても、文化の違いに戸惑っても、自分から一歩踏み出すことで、世界は驚くほど広がります。日本で当たり前だと思っていたことは、実はとてもユニークで魅力的だということにも気づきました。日本人である自分を活かしながら、異文化の中でどう自分らしくいるかを考える経験は、一生の財産になるでしょう。

AIUは、挑戦を支えてくれる仲間や先生、そして環境がそろっている場所です。不安や迷いがあっても、自分の可能性を信じて一歩踏み出してほしいと思います。留学もAIUでの学びも、きっとあなたを大きく変えてくれるはずです。

寮のルーミーとの集合写真
寮のルーミーとの集合写真(上段右が南部さん)

国際センターからの一言

南部さんは新しい文化を体験して学ぶこと、そして自国の文化を振り返りより深く理解することという留学の大きな2つの目的を達成しました。
また、この経験から日本の文化や価値観をもっと世界に知ってもらうという将来的な目標もできました。
さらに、将来の目標を達成するためにこれから必要となる自信とビジョンも身につけ、留学を大成功させたことを嬉しく思います。