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本学公認クラブBearBellがビジネスコンテスト「MiTOHOKU Program」に採択されました

本学公認クラブのBearBell(ベアベル)が、株式会社Wasshoi Labなどが主催するビジネスコンテスト「MiTOHOKU Program※」に採択されました。代表の服部悠大さん(2022年入学)、副代表の佐藤優奈さん(2025年入学)にお話を伺いました。

※経済産業省 令和6年度 未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金AKATSUKIプロジェクト採択事業
※本記事の内容は2025年10月2日時点の情報に基づいています。

集合写真
BearBellのみなさん(11月現在は8名で活動中)

服部さん:本プログラムは、資金支援(120万円)に加え、国内外で活躍する社会人からの事業伴走支援を受けるもので、BearBellの活動が認められたのだと思います。

深刻化するクマ被害への問題意識

服部さん:BearBellが取り組む主な活動は、獣害被害を防ぐアプリサービス「クマップ」の開発と事業展開です。私は東京出身ですが、AIU入学以降、秋田県内でクマを3回目撃するなど、人生で6回の目撃経験と2回の遭遇経験を持っています。

活動開始のきっかけは、2023年にクマ被害が社会的な課題として深刻化していたことでした。当時、私はシンガポールに、一緒に団体を立ち上げた佐藤孝哉さん(副代表、2023年入学)はリトアニアに、それぞれ留学中でしたが、オンラインで話しているうちに話が進みました。佐藤さんはプログラミングが得意で、私はささいな不便や問題を解消する解決策を考え、社会実装につなげることに興味がありました。そんななか、キャンパス付近でも熊が頻繁に出没することも、無視できない課題だと思いました。

佐藤さんとオンラインでディスカッションを重ねるうちに、既存の獣害対策情報(例:秋田県のクマダス、大学からの注意喚起メールなど)が「目撃からタイムラグのある事後報告」のみである点に着目し、私たちは「迅速な目撃情報提供で、一次被害を回避するための行動に主眼を置く」方法を模索し始めました。「クマップ」は、迅速かつ効果的に、ユーザーからの投稿を含めた位置情報を瞬時に共有?通知し、獣害防止に貢献することを目指します。

佐藤優奈さん:私は東北出身ですが、近年は住宅街でもクマによる被害が深刻化し、学校への通学路の安全も十分に確保できていません。秋田県のみならず、サービス開発の全国的な必要性を感じています。

MiTOHOKUプログラムへの採択と起業支援

服部さん:BearBellは、プログラミングを担当する佐藤孝哉さんと2人で2024年10月から活動を開始しました。最初に熊谷副学長に相談し、東北大学の先生を紹介していただき、仙台スタートアップスタジオに辿り着きました。そこで財務面や法務面等のアドバイスをいただきつつ、2025年4月にAIUの公認団体となりました。

MiTOHOKUプログラムには6月末にエントリーし、書類による一次審査、そして社会人で構成される審査員へのプレゼンテーションを含む二次審査を経て、最終審査に通過した5組の1つに選ばれました。

服部さん:MiTOHOKUプログラムを皮切りに、BearBellは複数のビジネスコンテストに採択されるようになり、我々の活動が単に自己満足で終わるのではなく、社会に認めてもらえたことを実感し、モチベーションと自信にもつながりました。今回の採択で、資金面で事業が持続可能なものになったことに加え、使命感を持つようになりました。

また、活動の資金面だけでなく、MiTOHOKUプログラムを通じた企業からの事業伴走など、開発?事業展開の両面で強力な支援を得ています。事業モデルやニーズの検証、実行?持続可能な事業にしていくための助言をいただきながら活動しています。

団体が目指すこと
MiTOHOKUプログラム参加者の皆様との写真

多面的な社会貢献を目指して

服部さん:「クマップ」の強みは、既存サービスにはないソリューションの提供と、社会的需要の高さ、そして学生による開発という3点です。サービス展開は3つの柱を想定しています。ToG(対行政)では、行政向けプロダクトとして、各自治体の獣害関連情報を一元化し、組織間の横の連携を促進したいと考えております。ToB(対企業)では、林業、鉄道、電力など、森林内で作業や設備維持を行う企業に対し、獣害の削減を通したメンテナンス負担軽減を目指します。ToC(対消費者)では、一般市民や学生などのユーザーに熊の出没情報を即時共有できる仕組みを提供し、回避行動を支援することを試みています。

開発中のアプリの説明

現在は獣害防止に重点を置いていますが、今後はAIを活用した動物の行動予測や、絶滅危惧種の探知を通じた保全活動、エコツーリズムへの活用など、「ゼロをポジティブに」という観点で多方面への発展も見据えています。

起業家出展ラボの様子
起業家出展ラボの様子(左から佐藤孝哉さん、児玉瑚子さん、佐藤優奈さん、服部悠太さん)

服部さん:多くの方の支援のおかげで、さまざまなビジネスコンテストに採択されました。コンテストでは、目標やターゲット層の設定など考えなければならないことも多いですが、採択されることによって獣害防止が注目されている分野であることも実感しました。今後も学生それぞれの持つ得意分野を持ち寄り、アプリの開発を通じて社会へ貢献できるように研鑽していきます。